ファクシミリ 2020 11 15

 なにやら、ファクシミリ(FAX)の評判が悪いらしい。
諸外国から「日本は、まだ、そんなものを使っているのか」と言われて、
あわててファクシミリをやめるらしい。
とかく日本は外圧に弱い。
 実は、私は、「ファクシミリは、不思議な機械だ」と思っています。
たとえば、私が似顔絵を描いて、アメリカ人にファクシミリで送ると、
似顔絵が「電送」されます。
 つまり、似顔絵が電子に変換され、
相手のファクシミリに電子が届くと、似顔絵に変換されます。
 アメリカ人が同じファクシミリで同じ紙を使っていると、
似顔絵が疑似的に転送されたようなものです。
 もちろん、原本は手許に残りますので、
「転送」というよりは、「分身の術」でしょうか。
 ところで、私も相手も「3Dプリンター」を持っていると、
立体的なものまで転送できます。
 何が言いたいのかというと、
目の前にある物質をいったん電子に変換して、
電子が相手に届いたら、物質に変換されるのは可能か。
 もちろん、電子は「電荷」がありますので、
あっちこっちで抵抗にあって、進みが遅いかもしれません。
 電子に似ていて電荷がないというと、
ニュートリノを連想します。
 実は、ニュートリノには、「ニュートリノ振動」が観測されましたので、
質量があるはずなので、なんとか利用できないかと考えてしまいます。
そうは言っても、ニュートリノは、楽々、地球を貫通してしまいます。
「情報を失うと、エネルギーも失う」
 エネルギーは質量と等価なので、
情報と質量は等価なのか、いろいろ考えてしまいます。
 ファクシミリから「科学的妄想」が始まりましたが、
「思考実験」は、科学にとって重要です。
 さて、夏に和風の定食を食べると、
副菜として「ところてん」がついているときがあります。
実は、「ところてん」から電子と電界のことがわかります。
このように身近なものが「思考実験」に役立ちます。

駅で待ち合わせ 2018 9 16

書名 電気の基本がよくわかる本
著者 有馬 良知  秀和システム

「電子は、ゆっくりと動く」
 多くの人は、電子というものは、
非常に高速で動くものと思っているでしょうが、
実は、人間よりも遅く、亀よりも遅いかもしれません。
 この本によれば、電子は、
銅線ケーブルの中を「0.1mm/秒」の速度で動くそうです。
(電流1A、断面積1mm2という条件下になります)
 駅で待ち合わせで遅刻しそうになった。
急ぎたい。
でも、駅は混雑していて、なかなか前に進めない。
一直線に進めれば間に合うかもしれないが、
みんな不規則に動いていて一直線に進めない。
だから遅刻する。
 電子も似たような状況と言えるでしょう。
銅線ケーブルの中では、銅原子が、
比較的規則正しく並んでいるかもしれませんが、
常温では、銅原子は振動しているでしょう。
 そうなると、電子が、
「銅原子ジャングル」の中を進むのは、
非常に大変なことだと思います。
そういうわけで、電子は、亀よりも遅く進みます。
 問題は、振動している銅原子が邪魔なので、
冷やしていけば、銅原子は振動しなくなるのではないか。
 そのとおり。
マイナス100度、マイナス200度、マイナス273度。
 ここまで冷やせば、銅原子の振動は、
限りなくゼロに近くなり、
電子が進む「道」は整備され、高速で動けるでしょう。
 これで「超電導」は達成され、
つまり、電気抵抗はゼロになり、
電気は永久に流れ続けるでしょう。
電気抵抗があるからこそ、電気は失われるのです。
「電気は、ところてん方式で伝わる」
 多くの人は、こう思ったかもしれません。
「電子は、亀の動きより遅いと言うけれど、
スイッチを入れると、すぐ電気はつくはずである」
 確かに、電子の動きは遅いのですが、
電気が早く伝わる仕組みがあるのです。
 それが「ところてん」です。
夏になると、和食で定食を頼むと、
「ところてん」がついている場合があります。
 「ところてん」は、半透明の寒天状のものですが、
それを「天突き」という専用の調理器具に入れて、
「ところてん」を押し出すと、「天突き」の先から、
瞬間的に麺のようになった「ところてん」が出てきます。
 これは、「天突き」の入り口の「動き(力)」が、
「天突き」の出口まで瞬間的に伝わります。
 これが、電気が伝わる仕組みです。
たとえ話をすれば、銅線ケーブルの入り口から、
電子が1個入ったら、出口から電子が1個出るという仕組みです。
 正確に言えば、電子が動く速度は遅いが、
「電界」という「力」は、光の速度に近い速度で伝わるということです。
(参考)
 そういえば、物質を絶対零度まで冷やしても、
原子の振動はゼロにはならないということを読んだことがあります。
 これは、量子力学で説明されるというか、
量子力学で要請される法則です。
 このような量子力学は、
電子や陽子などの仕組みを説明する学問なのに、
低温の世界にも量子力学が登場するのは、
不思議な感じがしますが、便利な学問でもあります。





















































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